
7月から9月は台風の季節ですよね。
 毎年台風によって大きな被害があります。
 よくニュースなどを見ていると台風が消えるときに、
 「台風が温帯低気圧に変わりました」とか「台風が熱帯低気圧に変わりました」
 という事を耳にします。
台風が温帯低気圧や熱帯低気圧に変わるということはなにか関係があるということですよね。
 しかし違いがよくわからないという人も多いでしょう。
 温帯低気圧と熱帯低気圧と台風の違いについて調べてみました。
 違いについて記載するまえに低気圧や温帯低気圧や熱帯低気圧や台風についての説明も簡単にしますね。
低気圧・温帯低気圧・熱帯低気圧・台風を簡単に説明

温帯低気圧とか熱帯低気圧っていう言葉はニュースの天気予報などでよく耳にします。
 低気圧という言葉も耳にしますよね。
 しかし低気圧ってそもそもどんな状態なのでしょうか。
低気圧の意味がわからないと温帯低気圧や熱帯低気圧もわかりません。
 まずは低気圧・温帯低気圧・熱帯低気圧・台風とはなにものなのか見てみましょう。
低気圧とは
天気予報を見ていると低気圧という言葉が聞こえてきますよね。
 小学校や中学校でも低気圧という言葉は習ったと思います。
 しかし大人になって低気圧とはどういうものか忘れてしまった人も多いでしょう。
低気圧とは周囲よりも気圧が低い部分です。
読んで字のごとくそのままでした。
 低気圧は周囲よりも気圧が低いということなので1気圧より低いとかは関係ありません。
 1気圧は1013hPaですが1気圧よりも高い場合でも低気圧となる場合があります。
 周囲が1気圧よりも高い場合ですね。
実際に1気圧よりも高いのに低気圧の場合もあります。
 そこまで珍しいことでもなくしばしば見られる現象です。
低気圧は雲があり雨や風があるのが特徴です。
 周囲よりも気圧が低いので低気圧の中心に空気や風を引き寄せる性質を持っています。
 これが上昇気流となって雲ができ雨が降ります。
温帯低気圧とは
温帯低気圧は赤道からの暖かい空気と北極や南極からの冷たい空気がぶつかり合って混ざろうとするときに温度差により渦になってできる低気圧です。
 温帯低気圧は温暖前線と寒冷前線を伴っていることも特徴です。
でもなんで温帯って言うのでしょうか。
 その答えは簡単です。
 温帯(1年中温暖な気候の地域)で発生するからです。
熱帯低気圧とは
熱帯低気圧は熱帯や亜熱帯の海の上で発生する低気圧です。
 熱い地域の海の上で発生するので水分を多く含んでいます。
 温帯低気圧とは違い熱帯低気圧は暖かい空気のみからできます。
熱帯低気圧は暖かい空気のみというのが特徴ですが前線も伴いません。
 熱帯低気圧は最大風速が33ノット(17.1m/s)までのものを言います。
台風とは
台風は熱帯低気圧のうち最大風速が34ノット(17.2m/s)以上のものを言います。
 熱帯低気圧がさらに発達したものを台風と呼んでいるんです。
 これって結構知りませんよね。
台風は全世界どこで発生しても台風と呼ぶわけではありません。
 台風と呼ぶには地域が決まっているんです。
 台風と呼ぶのは「東経180度以西の北西太平洋および南シナ海」の地域です。
他の地域の場合はハリケーンやサイクロンと呼ばれます。
 厳密に言えば台風、ハリケーン、サイクロンの定義は変わってくるのですが、発生している地域で呼び方が変わってきます。
180度経線で呼び方が変わるので発生したのが180度経線より東でハリケーンと呼ばれていたものが、180度経線より西に移動してくると台風という呼び名に変わることもあります。
台風はどこにいるのかで呼び方が変わるというのをあまり知らない人も多いと思います。
 厳密にはもっと違いはあるのですが大きな違いは現在発生している場所がどこなのかです。
温帯低気圧と熱帯低気圧と台風の違い

温帯低気圧と熱帯低気圧と台風について説明しました。
 すでに温帯低気圧と熱帯低気圧と台風の違いはわかったと思います。
温帯低気圧と熱帯低気圧は低気圧の構造自体が違うということです。
 温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気が入り混じり前線を伴います。
 熱帯低気圧は暖かい空気のみでできており前線は伴いません。
熱帯低気圧と台風の違いは最大風速の差のみ。
 熱帯低気圧は最大風速が33ノット(17.1m/s)までで、台風は最大風速が34ノット(17.2m/s)以上という違いです。
「台風が温帯低気圧に変わりました」というのは熱帯低気圧ではなくなったということです。
 最大風速が変わらなかったりさらに早くなっても関係ありません。
台風が温帯低気圧に変わるということは低気圧の構造事態が変わったということです。
 温帯低気圧が熱帯低気圧になることはないのでまた台風になるということはありません。
「台風が熱帯低気圧に変わりました」というのは最大風速が34ノット(17.2m/s)に満たなくなったということです。
 低気圧の構造自体は変わっていないということですね。
台風が熱帯低気圧に変わるということは最大風速が変わっただけで低気圧の構造は変わっていません。
 最大風速が34ノット(17.2m/s)以上になればまた台風になります。
 つまりこの場合は台風が消えたと思っていたら復活したということもありえるんです。
さらに付け加えるならば温帯低気圧は広い範囲で強い風が吹くのに対し熱帯低気圧や台風は中心部が強風となります。
 北半球の場合は多くの台風が北上してきます。
 北に進むほど空気が冷たくなるので寒暖差ができ台風が温帯低気圧になることが多いです。
 日本に接近したり上陸した台風が低気圧に変わったということはほとんどの場合は温帯低気圧になったということです。
まとめ
温帯低気圧と熱帯低気圧と台風の違いについてでした。
 温帯低気圧とか熱帯低気圧は小学校や中学校で習っているかもしれません。
 しかし結構忘れていますよね。
温帯低気圧と熱帯低気圧と台風の違いがわかると天気予報を見ていても意味がわかってきます。
 なんだかこの違いっておもしろいですよね。
温帯低気圧と熱帯低気圧と台風でどれが一番危険かについてはなんとは言えないのですが台風だと雨風が強いので注意が必要ですね。
 台風が温帯低気圧に変わったとしても風が強いままということもあります。
 温帯低気圧に変わってもさらに雨風が強くなるということもありますので完全に温帯低気圧が消滅するまでは安心しないようにしましょう。
日本にも毎年台風が接近したり上陸しますからね。
 大きな被害をもたらしているので台風情報には十分に注意する必要があります。
 台風になる前の低気圧の状態から警戒しておくのもいいかもしれませんね。

